今月のロンリネス処方箋 #8

2019年7月19日

目で追える距離に

こんばんは。黄身子です。
夏、花火とかフェスとかお祭りとか、人混みはちょっと苦手でも、あの人がいるなら頑張りすぎるくらい頑張っちゃう季節ですね。

そして、彼だけを見つめてるそのとき、一緒にいる女の子と男の子のこと。
たぶんみんな同じで、あの子もこの子も切ない思いを持って、花火や海の波の光を見てる。

そして私たちは大好きな人を何人も集めることができる日に憧れながら、やっぱり一対一でしか向き合えないことは限界でもあって、幸せなことでもあると思います。

彼との思い出のいつもそばにいてくれる友達のこと今夜は思い出してみてほしいです。
傷ついたときに近くにいてくれるかもしれない人。逆の日もあるかもしれない人。
そしてその距離感を守ることは、恋愛の一瞬のきらめきとはちがう尊さを持ってる。

ただただたくさんの人の中にいることも、
彼しか見えないでいることも、
寂しさに近づいてしまうことだと思います。

世界はふたりだけじゃないから、ふたりの関係はもっと輝くんだよね。
誰かといるときのあなたも愛せたら。それでも素直にふるまえたらいいよね。
暑い太陽の下にいるときだけじゃない、雨の日も涼しい日も、いい夏になるよう願ってます。

（黄身子）

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イラストレータ：黄身子（きみこ）さん／

1992年北海道生まれ。
京都大学卒業、東京藝術大学修了。

2016年より「自意識過剰と恋愛不適合をゆるコミカライズする」をテーマにTwitterなどで漫画&イラストを発表。ウェブメディア「AM」で「連絡まち子ちゃん」「姫たちのユウウツ」、フリーペーパー「メトロポリターナ」で「今日も恋する?アートガイド」を連載中。