今月のロンリネス処方箋 #7

2019年6月19日

恋の終わりと道標

こんばんは、黄身子です。最近友達みんな結婚してませんか。

もちろんよかったねとか、お相手に会ったらなるほど納得だわよかったって思うし、祝うんだけど、それになぞの寂しさ覚えたり、その理由もなんかよくわからなかったりして、もやもやしちゃいますね。

わたしたちなんでこんなに約束に憧れるんだろう。
いま誓った未来は予想でしかなくて、気持ちなんてどんどん変わっていくのに。

それほどの強い気持ちの眩しさももちろんあるけど、そこにあってもなくてもわたしたちを悩ませてきた恋からもし解放されるなら、そして失われるのではなくて、永遠に続く温かさに姿を変えるなら、そんな幸せなことないのかもしれないって思うからかなあ。

だけど約束なんてそんなに突然手に入らなくて、そしてそんなとき支えてくれるのは未来の恋人ではなくって、何かを決断してきたときの自分だと思うんです。

人間関係への向き合い方は、絶対ほかのことともつながってる。

たとえば就活とか、受験とかなんでもいいんだけど、自分が大きな枝分かれをどう乗り越えてきたかを思い出したら、ほかのことにも優柔不断だったなとか、それでも最初からの希望を叶えれたなとか、きっと同じように、人生を一緒に生きる人も最後は決めれるんじゃないかなって根拠もなく思えたりする。

10年前の自分が悩んでた恋に、きっといまならひとつくらい答えを差し出せるから、この不安もきっと大丈夫。
だから今日は、なにもわからなくても安心して眠りにつきましょ。

（黄身子）

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イラストレータ：黄身子（きみこ）さん／

1992年北海道生まれ。
京都大学卒業、東京藝術大学修了。

2016年より「自意識過剰と恋愛不適合をゆるコミカライズする」をテーマにTwitterなどで漫画&イラストを発表。ウェブメディア「AM」で「連絡まち子ちゃん」「姫たちのユウウツ」、フリーペーパー「メトロポリターナ」で「今日も恋する?アートガイド」を連載中。